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吐血と喀血


職場の若い同僚のお母さんが病院で喀血したと聞いた。
彼女は主治医から言われて、心の準備をしたらしい。


真っ赤な喀血で思い出すのは、母の自宅看護の時だ。
食道がん末期で、在宅ホスピスをしていた。私が仕事をやめずっと
家に居たある未明。真っ暗な中で、母が痰をティッシュに吐いた時、
暗闇の中でもはっきりとそれが鮮血だと判った。


あの時の事は今でも忘れられない。
暗い中で、でも明らかに鮮血とわかる血を見たとき、時間が止まった。

思考がとまり、時間がスローモーションのように流れた。
時間にしておそらくほんの2~3秒。
その間に、頭の中で、『ああ、どうしよう』『もう何も出来る事はない。』
『このままじっとしていようか』『先生に連絡してもしょうがないだろう。』
という考えが、ゆっくり、ゆっくりと湧き上がっては消えた。


だが、そのスローモーションが終わると、半ば条件反射的に主治医の
携帯に電話していた。ただ余りにも早い時刻だったので、寝ている
であろう主治医に連絡する事をためらわせた。それでも、この場合は
母が第一義。とにかく連絡した。


後に、顧みてこういう時、やらねばならないことをきっと実行するという
訓練を中学・高校時代に身につけていた事に感謝した。


母の時は、主治医のN島先生から、やがて血を吐き・・ と聞いていた
が、それでも初めての出来事でかなりの動揺はあった。
母は、食道に潜穴がありその為の喀血だったらしい。


父の場合は、褐色の吐血。
こちらは、父が自分のお腹に「メドゥーサの頭」という静脈の血管拡張
を認めた時に、「やがて血をはくんだ」と教えてくれた。


でも、どちらの場合も血を吐くと、ほんとに後はあっという間だという事
だけは、当時まったく知らなかった。


喀血と聞くと、あの時の、時間が止まった瞬間の事が鮮明に蘇る。

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花火


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昨日、東京神宮外苑花火大会を見学してきました。
いきなり思い立っての決行なので、当然花火会場の
席など取ってありません。 だいたい、花火見るのに
席を買うなんて発想がそもそもありませんし。


勝手知ったる信濃町のKO病院脇の道端で見ました。
神宮外苑という華やかな場所にふさわしく、華やかな種類の
花火でした。


そんな中、パジャマ姿の明らかに入院患者と思しき高齢の男性が
家族と一緒に見物していました。 病棟の部屋によっては新宿御苑
方面しか見えないところもあるからでしょうか。 幸い見物客が座って
いた植え込みの淵のスペースが空いた様で、途中からそちらへ移動。


なんどか、KO病院に入院しておりましたが、この花火大会に遭遇した
事は一度もありませんでした。 
いや~、盛大でにぎやかな楽しい花火大会でした。


しかし、花火って打ちあがっている最中はそうでもありませんが、
どんと鳴って、散ったあとは、一抹の寂しさがありますね。


一晩経って、人生って花火と同じだと感じたのは、きっとワタクシ
一人ではなかった事と思います。 

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